僕たちの公衆送信権

中京文化圏というものがあるとすると、浜松はその東端にあるといえます。中京文化圏と静岡文化圏が混ざり合っている例としてとっさに浮かんだのが新聞(中日新聞と静岡新聞)くらいだったのでその話はおいといて、テレビのほうに目を向けてみたいと思います。

浜松はテレビ愛知の放送対象地域には含まれていませんが、浜松のCATV局であるテレビはままつはテレビ愛知を区域外再送信しています。その結果、CATVに加入しているご家庭としていないご家庭とで情報格差が発生しています。テレビ愛知の番組にはテレビ東京系やUHF系の深夜アニメ、そしてもちろん「ガイアの夜明け」や「ワールドビジネスサテライト」などもあり、情報学を学ぶ学生がこれらの番組に興味を示さないはずがありません。しかし実際にはCATVに加入しないとこれらの番組は見れず、全員がCATVに加入できるわけでもないのです。

その状態を解決するために、ある学生はテレビのディスプレイをウェブカメラにうつし、CATVを見られない友人向けにUstream経由で再送信をはじめました。ええわかります。権利的に見て褒められたものではありません。「彼の家に直接みんなで集まるのと、ディスプレイ越しに見るのとでどれほどの違いがあるというのだ」なんてナイーブなことしか言えません。あたかも、どこでもドアを彼の部屋に向けて開きっぱなしにしてドア越しにテレビを見ているかのようです。本当にどこでもドアは流通・交通のコンテンツキラーですね。

もともとテレビは町内にひとつあればいいもので、そこに町内の人が集まってみんなで力道山の試合を見たと伝え聞いております。経済が発展しライフスタイルが多様化した今、テレビは1部屋に1つあり、1人で見るものという性格が強くなってしまいました。もっと仲間同士で、また直接の知り合いではなくても番組の内容に興味を持っている人同士でわいわいテレビを見られるような仕組みがあったら、凋落気味の視聴率やテレビ局の売り上げも復活するかもしれませんよ。

動画投稿サイトを見ればテレビ番組に由来する動画も目に付きます。コンテンツ作成力は高く動画共有サイトでネタになるほどには国民から注目されているのにもかかわらず視聴率が低下傾向なのは流通インフラが時代にマッチしていないためではないでしょうか。皆さん忙しく、自分の都合に合わせて好きな番組を好きなように見たいと思っていることでしょう。決まった時間に1箇所に集まってみんなでわいわい見るのが一番面白いと思いますが、その実現が難しくなった昨今、好きな時間に仮想的な空間に集まって仮想的にわいわいやるのが次善の策となるでしょう。私たちは2ちゃんねるの実況板によって空間から自由になれ、ニコニコ動画の登場で時間からも自由になれました。今度は、視聴者が得たこれらのエクスピリエンスを、もっと公的なインフラとして整備する段階になると思います。

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