『敗者のゲーム』を読んだ

敗者のゲーム』を読んだ。よく投資をするときにおすすめされる『ウォール街のランダム・ウォーカー』は本文が物語調になっていて、ナントカというおじさんがこれこれこういうことをして、この教訓はナンタラという調子で進むのに対し、『敗者のゲーム』は主観的に論が進んで、どういうことに気をつけてやったら良いのかが身につきやすい。

そもそもタイトルになっている「敗者のゲーム」というのがどういう状態かというと、これは敗者が何をするかでゲームの勝敗が決まるということを指している。普通のゲームは勝者のゲームで、勝者が行ったことでゲームが決まる。一方敗者のゲームというのは、周りが全員ミスをしない状態でゲームに参加していて、敗者がミスをすることでゲームが決まるということだ。勝者のゲームには成功が求められ、敗者のゲームには失敗しないことが求められる。

これをチャールズ・エリスがいうところの敗者のゲームである市場にあてはめると、市場に勝つことを目指して市場に参加すれば負けは見えており、市場平均に従っていれば長期では勝つのだということになる。これがこの先も本当に適用され続けるのかは知る由もないが、まあちょっとくらい信じてみようかなあという気にはなった。少なくとも、ハイリスクな個別株を買って日中すべての意識がその株価変動に向いてしまうというのは避けたいし、突然資産がなくなるどころか借金を追うことになるというのも避けたい。

あくまで余剰の額で、長期的にひたすら積み立てを行い、市場を信じていくというのは、他のもっと重要で面白いことに意識を向けられるし、長期的にはリスクプレミアム分くらいの利益が得られるはずだ。

読み終わって、今まで特に深く考えずに積み立てていた債券インデックスは直ちにすべて売却した。まだ何十年も積み立てをしていくのに債券を組み入れる必要はないのであった。これからは株式インデックスだけを積み立てていく。それを決めてもまだまだ考えたくなることは多い。

これらについてはエントリを分けていろいろ考えていきたい。