エゴサーチをしていたらGlobal Voicesというサイトに私のTwitterポストが引用されていた。よく見ると「日本語」とあり、これは…と思い原文を見ていたら、私の雑な日本語が英訳されていた。そういえば「絵文録ことのは」で昔、記事の全文引用とか翻訳とかの話が盛り上がっていたなあと思ったけど(いま検索してみたら「木村剛氏の「ブロガーとしての資質」を問う」の脚注くらいしか見当たらなかったけど、もっとほかにもあったはず。それともこのネタの主戦場はインフォーマルのほうだったかしらん)、そんなことより単純にうれしかった。私の文が第三者の手で英語に訳され公開されたのを見たのは多分これが初めてだ。
やっぱプロが編み出しただけあって「あらたにす」のネーミングセンスはすごい。仮称のANYがAllataNYsの中にちゃんと入っているし、"新s"ということで新しいかんじプンプンだし、新はNEWなのでこれすなわちNEWsサイトでもある。
— ヨウザカオオコノハズク (@youzaka) 2008年2月1日
が
Just as I thought, the naming of “Aratanisu” is amazing precisely because professionals came up with it. The word ANY is properly included inside AllataNYs, “新s” gives the sense of something new, and 新 means “new” — in other words it is a NEWs site.
になった。30秒くらいニヤニヤできた。「仮称のANY」の「仮称の」の部分が訳されてなくね? とか思ったけど、多分私の語学力不足だろう。
ただ、引用されたエントリは、ひとつのURIを与えるにはあまりにも断片すぎる。"Allatanys"は"AllataNYs"ではなく"all at ANYs"であって、これを加えないと私の「あらたにす」賛辞は完結しない。かつて話題になった「段落アンカー」をさらにひどくした問題がここにはあるように感じられる。「段落アンカー」の場合は、まだ参照された段落の上下に関連のありそうな記述が続いていることを視認できうるからまだ良いかもしれないが、Twitterの場合は前後の記事へのアンカーさえない。それでいて削除はできても編集はできない。
さらに私はEnter一発で投稿のできるTwitterクライアントも使っているし、何気ないことでも1000人弱のFollowerのタイムラインから自動にハイパーリンクも張られるし、さらに数多くあるTwitterマッシュアップサイトのDBにコピーされまくる。2ちゃんねるの場合は誹謗中傷や個人情報が書かれても大元を削除すればとりあえずいいのかもしれないけど、Twitterでそれが行われた場合はどうすればいいのだろう。いっせいに削除申請ができるように、Twitterを頻繁にクロールして書き込みをミラーリングしているサービスの一覧が必要なのではないか。とりあえず、間違えてEnterを押して誤投稿ということがないようにCtrl+Enterで投稿するようにクライアントの設定を変えた。
で、あらたにすの新しいところは新聞紙の1面記事を一覧に見られるところに尽きて、そんなのGoogle Newsとかでいいしという反応がよく見られたけど、それはちょっと脊髄反射に過ぎると思う。
新聞紙は有料で買うものでニュースサイトは無料で見るものという今の状態を広告費とかを除いて表面だけで考えると、私たちはニュースそのものではなくニュースのレイアウトの仕方に対価を支払っていると考えられる。見出しの大きさや書体、どのニュースをどこに配置するかといった編集のおかげで、忙しい朝の時間に新聞をナナメ読みすればだいたいどんなニュースが話題になっているのか概観できる。「あらたにす」はそうして考えられた1面記事を3紙まとめて見られるサイトなわけで、読者が記事そのものでなく記事の見せ方にお金を払っていると考えるなら相応の意味があると思う。ただ、あくまでHTMLレベルの情報提供にとどめようとしているあたりがせこいといえばせこい。フィードを提供して機械可読にしてほしい、とは当然思うけど、副作用も強いだろうし現状ではこのレベルが新聞社側の精一杯の譲歩なのだろう。これからどんどん試行錯誤が行われていくだろうし、ぜひうまくつきあっていきたい。