txqz memo

理想の新書の並べ方

本屋に行くと刊行順に新書が並んでいて本を探しにくいという話にブックマークがついて曰く:

[アハハ][ハウツー][魔界]「就活だからって普段来ねえ新書の棚にいちゃもんつけてんじゃねーよ、そもそも新書の分類が「政治」「経済」「ビジネス」みたいにスパッと分けられるか。文明開闢以来の「分類」ちう大問題を軽視」…等々、後ほど。

そりゃヒエラルキー型分類に嫌気が差していまフォークソノミーが絶賛流行中なわけで、これは「政治」の本でそれ以外ではない! だなんて言えない。たとえば今日買ってきた新潮新書の『いつまでもデブと思うなよ』にしても、大まかに言うとこれは「健康」の本かもしれないけど、ダイエットの本でもあるしオタキングの本でもあるし中年男性の本でもある。

そういうキーワードから新書間の距離を計算して、より多くのキーワードを共有する本をなるべく近くに置くようなアルゴリズムでも考えてみたら評判になるかも。既存の知見をちょっと応用するだけだけど。

と思ったけど、新書って関連書籍の紹介があるじゃん。手元にあるレーベルで確認したのは講談社現代新書と光文社新書の2つだけど、『行動経済学 経済は「感情」で動いている』の場合は『財政学から見た日本経済』や『経済物理学の発見』、『マルクスだったらこう考える』など経済学つながりの新書が「既刊より」に列挙されているし、『東京の島』には『日本《島旅》紀行』や『郵便局を訪ねて1万局』、『温泉教授の日本全国温泉ガイド』など地理関係や紀行作品が紹介されている。光文社新書は書誌情報の列挙だけど講談社現代新書の場合は紹介文もついていて、『はじめての言語学』の場合は:

本書著者も推薦する好著、井上史雄『敬語はこわくない』は、年々変化するよう例を豊富に紹介する「お求めやすい」入門書。同著者による『日本語は年速一キロで動く』は、綿密な全国調査で明かす図版満載の日本語論。

などとなっている。レーベル側で関係書籍を列挙しててくれているわけで、売り上げを少しでも伸ばそうとする書店がこの情報を活用しない手はない。他のレーベルも、こういう形で本と本をリンクしてくれるといろいろありがたいのでぜひよろしくお願いしたいところ。